第121回 難しいはなし

「ニヤリ」
「ニヤリ」

学力調査に関して議論がされています。今日の朝日新聞に載っていました。
大阪の橋本知事を先鋒に一部の知事が結果に関して公開するべきだという意見に立ち、公開しないのであれば予算に差をつけると文科省を通じて圧力をかけているという話題ですね。
文科省は基本自主公表は容認しているとのこと。
皆さんはどちらでしょうか?

読んでいて「これは難しいなー」と思ったのですが、重要な問題だと思うのでつい書きはじめてしまいました。
全国の学力調査結果の公表をめぐっては、時には適法、時には違法という過去に何度も紆余曲折の歴史があったのですね。
コメンテーターの上越教育大の佐久間教授によると「調査に公費を使ったのだから、公表の声があるのは当然、しかし公表することにより格差や差別を助長する恐れがある。議論すべきは知る権利をとるか、多くの子に不利益をもたらすのを防ぐために公共の利益を重視するか」ということでした。

なるほど、これは確かに難しい。

格差や差別はもう時代の流れとして避けられないのかもしれません。しかし教育委員会をはじめ閉鎖的、官僚的な組織とは、大分県の例があるように癒着やゆがんだ権力構造が生まれる要素もある。実際社会を知らない先生が招く問題も多いしね。
そんな中宇都宮市は市教委の決定でウェブで結果の公開をしており、他県の教委から問い合わせが来ているそうです。

情報の開示というのは個人的にはベターだと思うし、ウェブの世界ではそれがよりよい効果を生んでいる例も実際ありますが、やたらめったら公開されてもこんどはプライバシーや権利の問題があるわけですね。

考えれば考えるほど頭がいたい。

どうであれ、結局最後は人々が良識をもってしっかりと議論し、判断できるようになるしかならないので、情報の考え方は社会の成熟度が問われる永遠のテーマだと思います。
さて、皆さんはどうでしょうか?

2件のフィードバック

  1. 「情報の開示」と、Webで言う「オープンである」ことの間には、明らかな差異があるのではないか、とコラムを拝見しながら考えました。

  2. >mahaloさん
    コメントありがとうございます!
    ご指摘を受けて思ったのですが、確かにニュアンスが異なる部分がありますね。
    ただ情報開示をウェブが推進する大きなきっかけになっていること、情報の扱い方や取り扱い方が
    昔とは全く変わってきているのだなと感じます。

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